【怖い話】不気味の谷

最近、「不気味の谷」という言葉をよく見かける。
なんでもYouTubeなどで不気味の谷メイクなるものが流行っているらしい。

不気味の谷現象とは、人間の心理状態を表した言葉で、ヒトは人間のような性質を持ったロボットや人間の像に好感を抱くが、あまりに人間に近づきすぎると逆に不気味さと不快感を感じるようになるというものだ。ある一点で、好感が崖のように急降下することから、「不気味の谷」と呼ばれている。

不気味の谷メイクとは、人間のようでいて人間ではないアンドロイドのようなメイクを施すことで、見ていると不安や不快さを掻き立てられるらしい。

「不気味の谷」がトレンドになっていると知り、私は子供の時の出来事を思い出した。

小学校の時、近所に苦手なおばさんがいた。
通学路でたまに見かける40代くらいのほっそりとした女性なのだが、その人の顔を見ると、なんとも言えない不安を感じて逃げ出したくなるのだ。
子供の時には、大人はたいてい怖いものだけど、そういう感情とは全く別ものだった。
クラスメイトも同じだったようで、おばさんはみんなから不気味がられていた。
何をするわけでもなく、道端にただ立っていたり、歩いているだけなのだが、みんな会いたくないと言っていて、中には遠回りして学校に登下校する子もいたほどだ。

今思うと、あの感情こそ、まさに「不気味の谷」だったのではないかと思う。
人間のようでいて人間じゃないモノに感じる違和感と不快感。
その感情は、あの女性が我々と同じ人間ではないから感じたものだったとしたら、、、
幽霊、悪魔、宇宙人、そういった人間ではないナニカ、、、

もし、あなたの近くで違和感を覚える顔を見かけたら、注意をした方がいいかもしれない。

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