【怖い話】会いたくない人
Mさん(20代女性)は夜の仕事をしている。
いつも家に帰るのは深夜2時過ぎくらいだ。
Mさんには、仕事帰りによく使うコンビニがあって、だいたい毎日そこでお酒やつまみを買っている。
ある夜のこと。
その日、Mさんは仕事が忙しくてクタクタに疲れていた。
半分寝ぼけながら、コンビニで商品を選んでいると、通路の向こうから男の人が歩いてきた。
年齢は40代くらい。どこにでもいるようなサラリーマン風の男性だった。
と、すれ違いざま、その男の人がいきなり進路を変えてMさんの身体にぶつかってきた。
いきなりのことでMさんがリアクションできずにいると、男の人は自分がぶつかってきたにも関わらず、「頭おかしいのか」と大きな声で怒鳴ってきた。
Mさんは怖くなって、そそくさとその場を後にした。
しかし、その後も、男の人がMさんを視線で追っている気配を感じた。
酔っ払いなのかわからないがとにかく関わりたくなかった。
さっさと買い物を済ませて帰ろうと思ってレジに向かうと、なんと今度はレジの方からその男の人が歩いてきた。
絶対に目を合わせないよう陳列棚の方を向いて、やりすごそうと思ったのだが、男の人はすれ違いざま「気持ち悪ぃ」「バカが」とMさんに悪態を吐いていった。
なんなの、この人、、、
Mさんは怖くて仕方なくて、結局、何も買わずに逃げるようにコンビニを後にした。
気味は悪いし、理不尽に怒鳴られるし、散々な気分だった。
それからというもの、Mさんは、その男の人にまた出くわしたりしないかと怖くて、いつものコンビニに立ち寄るのをやめてしまった。
面倒だけど遠回りして別のコンビニに寄ることにしたのだ。
けれど、数日後、今度はその新しいコンビニに同じ男の人が現れた。
Mさんは男の人に気づかれないよう身を縮めコンビニを後にした。
近所に住んでいる人なのだろうか。
二度と会いたくないのにまた会ったらどうしよう、、、
ところが、Mさんの嫌な予感は当たってしまった。
それからというもの、飲食店、ドラッグストア、カフェ、公園、雑貨屋、病院など行く場所行く場所で同じ男の人に会うようになった。
Mさんは存在に気づいたらすぐ離れるようにしていたのだが、さすがにおかしいと思った。
被害妄想なのかもしれないないが、ストーカーなのではないかと思ってしまう。
何をされるわけでもなく、ただ、そこにいるだけなのだが、不気味で不気味でしょうがなかった。
Mさんは仲のいい女友達に相談した。
「気持ち悪いね。おかしいよ、その人」
「そうでしょ」
「そうだ。これあげる。効果あるかわからないけど」
そう言って、女友達はMさんにお守りをくれた。ご利益があるで有名な神社のものらしい。
お守りなんかで解決するはずはないと思ったが、不思議なことに、それ以来、男の人と会うことがなくなった。
たまたまお守りを家に置きわすれた時があったのだが、その日は男の人と通りででくわした。
それから、Mさんはお守りを常に肌身離さずいるようになり、ピタッと出くわすことはなくなった。
すごい効果だ。
感謝を伝えると、女友達は、Mさんも内心、疑い始めていたことを口にした。
「お守りで消えるなんて、その人さ、、、生きてる人だったのかな?」
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