ディズニーランドで体験した怖い話 #224

 

これは先日、高校の部活の女友達5人でディズニーランドに行った時に体験した怖い話です。

平日だったので割とスムーズにアトラクションに乗れ、スプラッシュマウンテンやビッグサンダーマウンテンなどのコースター系を一通り乗り終えた時でした。
あれ?と思いました。
背負っていたリュックが重く感じたのです。
お土産を買ったら入れようと思って持ってきたので、なかにはお化粧ポーチとお財布くらいしか入れてませんでした。
なのに、「ズシッ」という言葉がぴったりくるような重さを感じました。
もう疲れたのかな?
体力のなさが嫌になりましたが、他の子達に迷惑をかけたくなくて、
休もうとは言えませんでした。
それから、パーク内を上へ下へ、アトラクションに次々と乗っていきました。
みんな滅多に来られないディズニーを目一杯楽しんでいました。
ところが、時間が経てば経つほど私が背負っているリュックはますます重くなっていくように感じられました。
普通に歩いているだけで息が上がるようになり、とうとうベンチに座り込みました。
「なにやってるの?置いていくよ!」
友達が先の方から急かすように呼ぶ声がしました。
「ごめん、私、ちょっと体調悪くなってきた。休んで後で合流する!」
友達には先に行ってもらい、ベンチで休むことにしました。
座ると、リュックに引っ張られて後ろに転げそうでした。
いったいどうしたんだろう?
私はリュックを肩から降ろしました。
石を詰めこんだような重さでした。
リュックの中を開けてみました。
やはり、化粧ポーチと財布だけでした。
試しに化粧ポーチと財布を手に持ってみましたが、いつもの重さに感じました。
たったこれだけの荷物で、さっきまで感じていた重さになるわけがありません。
理解が追いつきませんでした。
私はリュックの中を覗き込んでみました。
その時でした。
オギャア・・・オギャア・・・
赤ちゃんの声がしました。
・・・リュックの中から。
驚いてサッと身を引きました。
確かにリュックの中から聞こえました。
なに、いまの?
冷や汗が浮かび、背筋がゾーッとしました。
私は怖くなって、リュックをそのままにして、化粧ポーチと財布だけ持って、そのベンチを後にしました。
しばらく、呆然と歩いていると、友達が見つけてくれて合流できました。
「あれ、リュックどうしたの?」
その言葉に我慢していたものが溢れ、ポロポロと泣き出してしまいました。
みんなに事情をありのままに話しました。
みんな親身に私の言うことを聞いてくれて、
リュックを確認しに行こうという話になりました。
ところが、さっきまで座っていたベンチに戻り友達の一人にリュックを持ってみてもらうと、「軽いよ?」とキョトンとなってしまいました。
「うそ!?」
私も持ってみると、普通のリュックの重さに戻っていました。
なんで?わけがわかりませんでした。
「けど、気味が悪いから捨てちゃった方がいいかもよ」
「・・うん、そうしようかな」
友達の一人が私の代わりにゴミ箱にリュックを持っていってくれました。
けど、ゴミ箱に向かって歩いてる途中で、突然、その友達がリュックに引っ張られるように転びました。
「どうしたの!?」
「わかんない。急にこのリュックが重くなって」
オギャア・・・オギャア・・・
微かに赤ちゃんの声がしました。
「聞こえた?」
みんなうなずいています。
その時、一人が悲鳴を上げました。
「あれ見て」
そう言ってリュックを指差しています。
そして、私は見てしまいました。
リュックのジッパーの隙間から赤ちゃんの小さな手が這い出てくるのを。
なにかが、リュックから出てこようとしていました。
私達は悲鳴を上げて、その場から走って逃げ、そのままディズニーランドを後にしました。
その後、リュックがどうなったのかはわかりません。
「人が集まる楽しい場所だから、この世のものでないものも集まってきてしまうのかも」
私達は、そう自分達を納得させることにしました。
実は他にもディズニーで体験した怖い話があるのですが、それは別の機会にします。
結局のところ、私がそういう体質なのかもしれません・・・。

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