2016-09

ショートホラー

第69話「私のこと?」

私の中学生の同級生に、Aちゃんという少し変わった女の子がいた。Aちゃんは、クラスの女子の中で浮いていた。性格に問題があったからだ。休み時間の間、みんなで輪になって話していると、Aちゃんがやってくる。「・・・いま、なにしゃべってたの?私のこと...
ショートホラー

第68話「ネクタイ」

社会人になって4年目に体験した怖い話。ある日、仕事から帰ってきてクローゼットのバーにハンガーでジャケットをかけようとしたら、ネクタイがバーに結ばれていた。しかも、先の方が輪っかになっていて、首吊りのロープのような形になっていた。気味が悪かっ...
ショートホラー

電車の怖い話 #67

会社の飲み会の帰り、方向が同じ後輩と電車で一緒に帰っていた時のこと。運良く席が並んで二つ空いていたので、私は迷わず座った。当然、横に後輩が座るものと思っていたが、後輩は立ったままだった。他の乗客が座る気配もない。しばらく雑談していると、後輩...
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第66話「千里眼」

私の小学校の同級生にAちゃんという女の子がいた。このAちゃんが、かなりの変わり者だった。自分には、透視能力があるというのだ。遠くにあるモノや人がイメージできるのだという。いわゆる千里眼というのだろうか。真顔で言うものだから、みんな困ってしま...
怖い年間行事

第65話「身代わり雛」

3月3日。桃の節句。通っている音大の学生食堂に雛人形が飾られていた。思わず足を止めて見てしまった。雛人形に、いい思い出はない。魚の小骨のように心の奥深くに苦い記憶が突き刺さっていた。小学生の私は、まさにピアノ漬けだった。朝起きて朝食の前にピ...
ショートホラー

第64話「メモ」

これは、小学生の時に体験した話です。僕には、Aくんという仲がいい友達がいました。よく二人で僕の家でゲームをしたりして遊んでいました。けど、遊ぶのはいつも僕の家ばかりで、絶対、Aくんの家に誘ってはくれませんでした。何度か頼んでみたのですが、曖...
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第63話「死者の書」

この前、近所の古本屋さんで小説を買った。けっこう有名な作家さんの代表作のミステリーで、読んだことがなくてたまたま目に留まったのだった。だいぶ焼けて黄ばんでいて状態はよくなかったけど、50円のワゴンセールで売ってたんで、まあ、いいかと思った。...
ショートホラー

第62話「最後の晩餐」

8月2日晴れ。今日の夕ご飯はご馳走でした。卵焼きやハンバーグなど私の好きなものばかりです。私にはお父さんがいません。それなのに、お母さんが働かないのでウチにはお金がありません。国からの保護を受けて暮らしています。お母さんの実家は資産家なんだ...
ショートホラー

第61話「同級生」

これは、この前、中学の同窓会に参加した時に体験した怖い話。本当は行くつもりはなかったんだけど、今でも付き合いがあるクラスメイトのAに、一人で行きたくないからと頼まれて仕方なくいくことにした。ほとんどの同級生が実に15年振りの再会だった。会場...
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第60話「すきま」

これは、大学の時、一人暮らしのアパートで起きた怖い話。僕が住んでいたのは1Kのアパート。築20年以上経っていて外観はかなりボロボロに見えるが、中はリフォームされていて新築みたいに綺麗だった。それは、経済学の学期末レポートを書いている時だった...
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