【意味怖】心霊ロケに遭遇して

 

僕が住んでいる場所の近くでたまたま心霊ロケをやっていた。
そこは廃墟となったホテルで地元では有名な心霊スポットだ。
ロケバスが数台、駐車場に停まっていて、建物に向けて煌々と照明がつけられていた。
明るい場所でタレントさんらしき人がメイク直しを受けている。
あんなに明るかったら幽霊は出づらいだろうにと思いながら僕は野次馬をしていた。

すると、しばらくして、友達のA、Bがやってきた。
二人ともこんな近くでロケをしているのに驚いたみたいだ。
それから3人でおとなしく見学をしていたのだけど、
なかなか撮影が始まらず疲れてきてしまった。
やがて、Aがじれたように、言った。
「暇だから後ろの方で、カメラに映ってこようかな。心霊写真なんつって」
「やめておけよ。騒ぎになって面倒なだけだから」
「そうだよな・・・あれ?Bは?」
見回すと、いつのまにかBの姿がない。
僕は周囲を確認して、Bを見つけた。
スタッフと談笑している女性タレントのすぐ後ろに立っている。
すると、Aが深い溜息をついて言った。
「あーあ、かわいそうに。あの女の子、Bに目をつけられたら、死んだな」

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