ショートホラー

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第133話「おかえりなさい」

数年前の話。当時、僕はワンルームのマンションでひとり暮らしだった。ある時、家に帰ると、どこからともなく「おかえりなさい」と女の人の声がした。始めは近所の家庭の声が聞こえたのだと思った。けど、毎日決まって、僕が玄関を開けたタイミングで声がする...
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第132話「蝿(はえ)」

プーン・・・。教室を蝿が飛んでいた。はじめは気にしないようにしていたけど、だんだん不快になってきた。目で追っていたら、僕の3つ前に座っているKさんの首の後ろに止まった。Kさんは気づいていない。Kさんは、僕の高校の男子の間でアイドル的な存在だ...
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第130話「厚木の廃病院」

神奈川県厚木市に廃墟となった病院がある。これは、その廃病院で体験した怖い話だ。廃病院は、本厚木駅から車で20分程度の幹線道路沿いにあり、だだっ広い駐車場の奥に10階くらいの大きな病棟が建っている。ちょっとした胆試しのスポットとなっていて、深...
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第128話「サブリミナル効果の怖い話」

行きつけのバーで大学教授をしているという40代の男性と知り合った。独身貴族同士、お互いの年齢も近く、大学で教鞭を取っているだけあって話上手なものだから、話が弾んだ。こういう人と、つきあえたら楽しいかもしれないと思った。夜も更け、これからどう...
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第127話「タワーマンションの怖い話」

私が住んでいるのはタワーマンションの25階だ。曇ってなければスカイツリーや富士山を一望できる眺めの良さ。コンシェルジュつきのエントランス。万全のセキュリティ。かなり高い買い物だったけど、とても満足していた。後は旦那さんだけねと親戚にはやっか...
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第126話「子育ての怖い話」

「ねえ、お母さん、どうして人を殺したらいけないの?」7歳になる一人息子が尋ねてきた。私は答えに詰まった。重い質問だ。人の命は尊いから?法律で禁止されているから?正解などあるのだろうか。この答えに、私達家族の未来がかかっていると思うと怖くて仕...
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第125話「ペットの怖い話」

ある夏のこと。その日は最高気温が34℃まで上がり、夜になっても日中の熱が残っていた。寝苦しくて、どうにも眠ることができず、外を散歩でもして身体を疲れさせようと思った。1人で歩くのも寂しいので、飼い犬のコーギーを一緒に連れていくことにした。犬...
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第124話「新学期の怖い話」

・・・やってしまった。新学期初日の大寝坊。寝癖を直す暇もなく、家を飛び出した。クラス替えがあるというのに。なんてバカなんだろう。しばらくは、初日から遅刻した人と見られてしまう。そればかりか、これがきっかけで、いじめが始まるかもしれない。コド...
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第123話「いつか桜の木の下で」

私が住むT市は桜で有名だ。特に国立S公園は有名で4月ともなると毎年大勢の人が花見に集まり賑わう。ただ、人が多すぎるので地元の人間はあまり寄りつかない。地元の人達は、少し街外れの知る人ぞ知るスポットに行きがちだ。E公園は私のお気に入りのスポッ...
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第122話「晴天の霹靂」

「ねえ、私のために死んで?」彼女の言葉は、まさに晴天の霹靂だった。付き合って3年。そろそろと考えていた矢先の出来事。久しぶりに僕のマンションで二人でゆっくりできるかと思っていた矢先だった。彼女の真意はまったくわからなかった。だから、何も答え...