【怖い話】バッドタイミング

こんな経験ないだろうか?

閉まりかけのエレベーターに慌てて駆けつけ、ボタンを押したら、中にすでに乗客がいて、申し訳ない思いになる。
一度は誰しも経験したことがあるのではないだろうか。

Xさんは、ある日、仕事に遅刻しそうで走っていた。
オフィスビルのエレベーターホールに着くと、ちょうどエレベーターが到着したところで、一人の女性が乗り込むのが見えた。
ドアが閉まっていく。
Xさんは、慌てて、エレベータードアに手をさし入れて、ドアを開けた。
先客の女性には申し訳ないが遅刻するのも嫌だった。

ところが、ドアが開くと、さきほど乗り込んだ女性の姿がなく、エレベーターはの中は空だった。
確かに乗り込む姿を見た気がするけど、見間違えだったのか。
困惑したXさんを乗せてエレベーターが上昇を始める。
エレベーター内は、空気が重たいというか、なんとも言えない居心地の悪さがあった。
誰も乗っていないはずなのに、誰かに見られているような、、、そんな感覚がする。
エレベーターは6階で止まった。
次に乗ってくる人のため、Xさんは少し後ろに下がった。
しかし、ドアが開いても、エレベータを待っている人はいなかった。
不思議に思っていると、Xさんの身体を押すようにフワリと風が横を通りすぎて、エレベーターの外に抜けていった。
風が通りすぎる瞬間、女性の香水のようなニオイがしたという。
Xさんは、幽霊が乗ったタイミングで乗り合わせてしまったのかもしれない。

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