ショートホラー

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第30話「インスピレーション」

「ミケランジェロは人間の魂が肉体の内に宿るように、石の中に彫刻作品のあるべき姿があらかじめ存在すると考えていたんだ」顧問の飯田先生が、誰かに、そう言っているのが聞こえた。飯田先生は、35歳で独身。中性的な顔立ちをしたイケメンで雰囲気が柔らか...
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第29話「防犯カメラ」

これは、私がオーナーを勤めるコンビニで起きた恐怖の出来事だ。ある日の深夜3時頃。私は、バックオフィスでアルバイトの子達の勤怠データを取りまとめていた。夜勤シフトの子が体調不良で早退してしまったので、その日は、朝まで一人きりだった。6時になれ...
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キヨコさん #028

「・・・私のこと好き?」そう聞かれて、俺は固まってしまった。どう返事をするべきなのか、脳みそをフル回転させた。もし答えを間違えてしまったら、命がないかもしれないのだから。俺が通う中学校には「キヨコさん」という都市伝説が伝わっていた。学校で一...
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第27話「狂った果実」

これは、僕が小学校5年生の時に体験した恐ろしい話だ。ある日の帰り道、僕は、クラスで一番仲がよかったウメちゃんと通学路にある山に立ち寄った。標高は500mほどしかない小さな山なのだが、アスレチックやちょっとした渓流なんかがあって、子供が遊ぶに...
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第26話「肝試し」

藪の中で僕はじっと息を潜めていた。虫よけスプレーをかけてきたものの、何か所も蚊に刺されていた。ポケットからスマホを取り出し、時刻を確認する。・・・遅いなぁ。僕は痺しびれを切らしていた。トイレにも行きたくなってきた。大学のテニスサークルのメン...
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第25話「悪夢」

ベッドで眠っていると、何の前触れもなく、誰かが私の上に馬乗りになってきた。老婆だった。ボロボロの着流しを着た老婆は、涎を垂らしながら、黄ばんだ歯を剥き出しケタケタと笑っている。ああ、山姥やまんばが私を殺しに来たんだ・・・。私は冷静に理解した...
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第24話「ピンポンダッシュ」

僕が小学校4年生の時に流行った都市伝説の話をします。ピンポンダッシュってしたことありますか?通りかかった家のインターフォンを押して、家の人が出てくる前に逃げる子供達の遊びです。表に誰もいないことに戸惑っている人を見る楽しさと、見つからないよ...
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第23話「心霊写真」

僕が雑誌記者になって5年目に起きた恐怖体験について書こうと思う。その年の6月、僕は「真夏の心霊写真特集」という企画を一人でまかされることになった。連日、読者から投稿されてきた500通以上の心霊写真の中から選りすぐりの怖い写真を選ぶ作業が続い...
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第22話「運命ゲーム」

その日、僕たちは、トクナガのアパートで飲み会を催すことにした。メンバーは僕、トクナガ、ハツミ、カガの4人。全員医学部の3年生だ。酔いが少し回った頃、トクナガが「みんなでやろう」と言ってボードゲームを持ち出してきた。リサイクルショップで偶然見...
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第21話「開かずの間」

俺の親父は、いわゆる〝霊媒師″だった。俺も詳しくは知らないが、除霊や心霊現象の解明を生業としていたようだ。親父の仕事のせいで、俺は小学校時代から同級生たちにイジメられ、近所の人からは「詐欺師の息子」と罵られ続けた。俺だって逆の立場だったら、...