【怪談】【怖い話】バーベキューパーティー

先日、会社のバーベキューパーティーで、ちょっとゾッとすることがあったので投稿します。

渓流にあるキャンプ場で会社の人達とその家族が40人ほど集まってバーベキューをしていたのですが、開始して1時間ほど経って事件は起きました。

はじめはなんだかざわついているなくらいで気にしてなかったのですが、「もうやめようよ」と誰かが止める声が耳に入ってきて、声がした方を見てみると、女性社員のBさんを中心に人が集まってました。
Bさんは入社して4年目の中堅社員で30歳、目立った実績はなくても会社からは信頼されている社員でした。
そのBさんが、総務部長を相手にまくしたてていました。
「奥さん知ってるんですか?部長が不倫してること」
飲み物を吹き出しそうになるほどびっくりしました。
それ自体、初耳だったうえ、例え知っていたとしても、この場でそれを言い出す神経を疑いました。
「キミは何をいってるんだ!」
当然、総務部長は顔を赤くして怒っていました。
総務部長の奥さんは血の気が引いた表情で呆然と立っていました。
「ホステスの○○ちゃん。もう3年近くになりますよね〜」
Bさんは、総務部長の怒りなど気にする素振りもなく、
ヘラヘラと笑っていました。
そして、いきなりクルッと向きを変えたかと思うと、今度は専務に向かって、
「専務。息子さん、大学中退して引きこもってるんですよね、会社では、早稲田に通ってるなんて嘘ついてるくせに」
言われた専務は青い顔をして狼狽しています。
「もうやめろ、な?」
そう止めに入ったのはBさんの直属の上司のFさんでした。
Fさんは、必死に笑顔を取り繕っていましたが、困惑と怒りを隠しきれない表情でした。
すると、Bさんが今度はFさんに向かって言いました。
「Fさんって、前の彼女、自殺してますよね?もしかして、モラハラでもして追い詰めました?」
その失礼な発言にはさすがのFさんも我慢できなかったらしく、
「いい加減にしろ!」と怒鳴り声をあげました。
けど、Bさんはそれでもやめませんでした。
今度は、副社長に向かって、
「副社長って、ゲイですよね」
と言って高笑いしました。
「彼女、どんだけ飲んだの?」
私は、近くにいた同僚にソッと聞きました。
酔って、わけもわからず暴言を吐いているのかと思ったのです。
すると、驚いたことに一滴もお酒を飲んでいないという答えが返ってきました。
そういえばBさんはお酒が飲めなかったのをその時思い出しました。
「きみ、もう帰って頭を冷やしなさい!」
ついにはBさんの目に余る言動は社長の逆鱗に触れてしまいました。
Bさんはふてくされたように口元を歪め、
「うるせえ、ハゲだな」
と言って、あろうことか社長の頭からビールをかけました。
「お前が頭冷やせよ」
ワンマンとして強面で知られた社長にそんなことができる社員などウチの会社にはひとりもいませんでした。
結局、男性社員が数名がかりで、Bさんを無理やり帰らせ、その場はなんとか収まったのですが、当然、その後のバーベキューは、まるでお通夜のような雰囲気で、とんだ気まずい空気になりました。

その日以来、Bさんは出社せず、会社を辞めました。
Bさんは、もとから辞めるつもりで、最後になり振りかまわず暴言をぶちまけたのかなと自分なりに解釈していたのですが、飲み会の席でFさんと話していて、妙なことを聞きました。
「前の彼女が自殺だったこと、会社の人にはおろか家族にも言ってないのに、なんで彼女が知ってたんだろう」
たしかに、なぜ家族も知らない情報をBさんが知っていたのか、不思議でなりませんでした。
すると、同席した別の同僚がこう続けました。
「あとで調べたら、あのキャンプ場がある土地の一部に昔、神社があったらしいですよ。なんか地元じゃ有名なヤバいスポットだったんですって」
もしかしたら、Bさんはよからぬモノに取り憑かれてしまったのかもしれません・・・。

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