ショートホラー

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第87話「壁男」

駅など、人が集まる場所で、じっと壁を向いて立っている人を見かけたことありませんか?もし、朝も見たのに、夜帰ってくる時も同じ体勢で立っているのを見かけたら、それは間違いなく壁男です。男といっても女性の場合もあります。壁男を見かけても、決して声...
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第86話「靴」

ある日、自転車で夜道を自宅まで帰っていた時のことです。私は、町役場の出納課に勤めていて、もうすぐ確定申告の時期ということもあり、連日、帰るのは夜遅くになっていました。今週末は、妻と中学生になる息子と、山登りに行こうかなんて話しをしていて、そ...
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第85話「からっぽ」

いつからだろう・・・。部屋の中が、からっぽになった気がするようになったのは。大事な何かが欠けたような気がする。特別、何か捨てたわけでもないのに、何かが足りない。いや、足りないのではなく何もないのだ。僕の部屋の中は、家電や本やインテリアで物は...
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第84話「家のトイレが怖い」

社会人になって2年目。俺は一人暮らしをしていた。毎日、夜遅くまで仕事が忙しくて、満足に寝られず、週末にまとめて寝るという生活の繰り返しだった。その日も遅くに帰ってきて、お風呂に入ったりしているうちに日付が変わっていた。最後にトイレに行って寝...
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第83話「古井戸」

小学生の頃、僕が住んでいた地区の子どもたちの主な遊び場は河川敷だった。川沿いに草野球用のグラウンドがあって、たいていの運動や遊びができたからだ。家にランドセルを置くとまっすぐ河川敷へ。そんな毎日を過ごしていた。河川敷には、他校の生徒もいた。...
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第82話「まばたき」

これは私が高校2年生の時に体験した怖い話。真夏の授業中。窓際の席に座っていた私は、ボーッと外を眺めていた。数学の授業はチンプンカンプンだったし、暑さのせいでとてもじゃないけど真剣に先生の話を聞いていられる状態じゃなかった。窓の向こうは校庭だ...
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第81話「赤いコート」

高校1年生の冬のことだった。登校途中に同じ高校の女子生徒と会った。見たことがない顔だった。ただ、その女子が、制服の上から真っ赤なコートを着ていたので、すごく印象に残った。それから数日後。今度は学校帰り。同じ高校の女子が5、6人で帰っているの...
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第80話「行列」

僕には、行列ができていると気になって並んでしまう癖があった。なんのお店やイベントなのかわからなくても吸い寄せられるように最後尾に並んでしまうのだ。要するにミーハーなのだろう。その日も仕事帰りに行列を見つけて、ついつい最後尾に並んでしまった。...
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第79話「遺産」

私のおじいちゃんは資産家だ。たった1代で莫大な富を築いたらしい。実業家と本人は言っているけど、実のところ何をやっているのか誰もよくわかっていない。実の娘であるお母さんもよく知らないらしい。だから、口さがない人は、若い娘を売り飛ばして稼いだと...
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第77話「犬は鳴く」

会社の同僚が最近、飼い犬の鳴き声で困っていると相談してきた。ちゃんとしつけしていて、とてもおとなしい犬だったのに、急に鳴き止まなくなったという。寝れないし、近所迷惑だし、と本当に困った様子だった。私は、慰め半分、冗談半分で犬の鳴き声を人間の...