【怖い話】心霊スポットに電話番号を残したら・・・

Sさんは、このところイタズラ電話に悩まされていた。
非通知で電話がかかってきて、「あぁぁ」と呻き声のような声が聞こえ、電話が切られる。

思えば、数日前、友達数人と心霊スポットの廃トンネルに肝試しにいってから、その電話は始まっていた。
怖くなって、一緒に肝試しにいったメンバーの1人に相談すると、その友達が「実は、、、」と申し訳なさそうに、Sさんの携帯番号をマジックペンでトンネルの壁にイタズラ書きしたのだと打ち明けた。
友達はSさんが相談するまで、そのことをすっかり忘れていたという。
電話の原因は、落書きのせいだったのだ。
Sさんは、カンカンに怒って、その友達を連れて、心霊スポットに電話番号を消しにいくことにした。

昼間にも関わらず、廃トンネルは暗かった。
トンネルの中ほどで、
「たしかここら辺だと思う」と友達は言った。
2人で壁を注意深く見ていると、突然、Sさんのスマホが鳴り響いた。
また例の非通知着信だった。
その時、友達が、「おいっ」とSさんの肩を力強く叩いた。
見ると、数メートル離れた先、男性がトンネルの壁を向いて立っていた。
ついさっきまで、あんな人はいなかった気がする。
Sさんが、恐る恐る電話を取ると、電話の向こうと数メートル離れた男の人の口から同時に、「あぁぁ」と呻き声が重なって聞こえてきた。
Sさんと友達は恐怖でパニックになって、トンネルから一目散に逃げ出した。
一体、男性は何者だったのか。
「ビビったけど、よく考えたら、普通に生きてる人間だったかもな」
Sさんが少し冷静になって言うと友達が答えた。
「でも、どっちの手にも電話なんて持ってなかったぞ?」
Sさんは、その帰り、すぐに電話番号を変える手続きをしたという。

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