【怖い話】木製バット

 

親友のAの父親が亡くなったと聞き駆けつけた。
特殊な地域だと聞いていたが、
Aの実家は最寄り駅から2時間に一本のバスで1時間以上かかる山奥にあった。

納棺を待つ遺体の横でAは肩をおとしていた。

Aとご家族にお悔やみを述べていると、
ふと、ご遺体が眠る布団の横に木製のバットが置かれているのに気づいた。
「親父さん野球好きだったんだな」
そう言うと、Aはキョトンとして顔をして答えた。
「ああ、このバットは違うよ。
この辺りの土地は霊場だから、悪い霊が死体に入りこんで悪さするんだ。
もし起き上がったら、これで叩いてくれ」
そう言ってAは僕にバットを渡してきた。

よく見ると、遺体の頭は、何度も叩かれ陥没していた・・・。

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