屋根裏の散歩者 #217

2017/10/09

 

ある晩のこと。
寝ていると、天井から音が聞こえた。
がさ、がさ、がさ・・・。
屋根裏を生き物が徘徊しているようだ。
ネズミや猫だろうか。
音は1週間くらい止まなかった。
気になって天井裏を見てみることにした。
脚立に乗りパネルを押し上げる。
懐中電灯で屋根裏を照らすと、屋根を支える木材がいっぱいあった。
一通りグルリと見渡したが、ネズミ一匹見つからなかった。
気のせいだったのだろうか。
その晩、布団で寝ていると、屋根裏から音は聞こえなかった。
ただ、今度は、僕の足元から音が聞こえた。
がさ、がさ、がさ・・・。
畳を這いずるような音がする。
どうやら僕が屋根裏パネルを開けたせいで何かが降りてきてしまったらしい。
僕は目を開けて、屋根裏の散歩者の正体を確かめるべきだろうか・・・。

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