ネットカフェの怖い話

 

これは数年前。
会社の飲み会で終電を逃してネットカフェに泊まった時に体験した怖い話だ。

お店に入ったのは2:00を過ぎていたと思う。
とにかく寝たかったので横になれそうなフラット席の個室でお願いした。
けど、ネットカフェに来るのなんて久しぶりだったので、
ついつい前から読みたかった漫画を読み始めるとハマってしまい時間が過ぎていった。
3:00を過ぎてさすがに寝ようと思った時、横の壁から音が聞こえてきた。
隣のブースにお客が入ったらしい。
個室といってもベニヤ板みたいな薄い板壁で仕切られているだけだし壁の上の方は空いていたので、
けっこう隣の音が聞こえた。
ガサガサと身動きする音やパソコンのマウスをクリックする音。
気にしないようにしようと思ったけど、いざ寝ようとすると気になって眠れなくなってしまった。

フフ・・・フフフ・・・

しまいには微かに笑い声が聞こえてきた。
声からするとどうも隣は女性らしい。
お笑い動画でも見ているのか、笑い声は止んだと思ったらまた聞こえてくるの繰り返しだった。

普段は音などお構いなしに眠りにつけるのに、
なぜかその日は微かな音を脳がストレスと感じて眠れなかった。
寝れないなら漫画の続きを読もうとブースを出て、
「あれ?」と思った。
隣のブースが空いていた。
いつの間にか帰ったのだろうか。
このネットカフェは、レジに備えつけられたモニターで空いている席を自分で選択する仕組みになっていたので、
漫画を取りに行くついでにモニターを見てみた。
やはり僕のブースの隣は両方とも空いていた。
これで眠れると思って、ブースに戻って横になった。
ところがしばらくすると、またフフフと笑い声が聞こえてきた。
離れたブースからではありえない。
すぐ近くから聞こえていた。
・・・隣は空いているはずなのに。
僕は板壁に耳をつけた。

フフフ・・

やはり聞こえる。
まるで壁の中から声がしているみたいた。
その時だった・・・

イヤダァァァァ!!!

突然鼓膜が破れるくらいの絶叫が聞こえ僕は慌てて壁から離れた。
あんな大声が聞こえたら店員さんなり誰かしら反応しそうなのに、
誰も反応がなかった。
もう出よう、僕は慌てて荷物をまとめてブースを出た。
帰り際チラッと見ると、両隣のブースはやはり空いていた。

後日、霊感のある知人に聞いたところ、
個室をくぎるのに使っている板材が問題だったのではないかと言われた。
その板材を使っていた場所に住む何者かの念が残ったままネットカフェの板壁として再利用されたのではないかという。

その恐怖体験をして以来、
終電を逃してもネットカフェは使わないようにしている。

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