東京ドイツ村の怖い話 #252

 

千葉県袖ヶ浦市にある東京ドイツ村は、敷地面積が東京ドームの約19倍あり、芝生の丘を中心にボート池や、アミューズメントエリア、子供動物園、フラワーガーデンなどのエリアがあり、丘の上にはドイツ料理やドイツビールを楽しめるレストラン・ショップがある。
中でも冬季のイルミネーションは規模が大きく有名で毎年大勢の観光客が訪れている。
そんな東京ドイツ村で私が体験した怖い話・・・。

その日、私は地元の女友達5人で東京ドイツ村にきていた。
目的はもちろんイルミネーションだ。
芝生の丘一面に敷き詰められた色とりどりのLEDがおりなす壮大なイルミネーションは、まさに圧巻だった。
いろいろなところで歓声があがっていた。
私たちは少しずつ移動しては写真を撮るを繰り返していた。
ところが、突然、一人の女の子が足を止め、「これみて」とスマホで撮影した写真を見せてきた。
私は目を丸くした。
イルミネーションをバックにピースする私の肩に人の手がかけられていた。
位置的に他の誰かが背中から手を回してるとかではなかった。
なにより、肩にのった手は半透明に透けていた。
私達は各々自分で撮影した写真におかしなものが映っていないか確認した。
すると、別の子が声をあげた。
今度は私の足と重なるように膝から下だけの人の足がうつり込んでいた。
・・・なんで私ばかり。
そう思った矢先、また別の子が声をあげた。
後ろに誰も立っていないのに私の背中から腰に手が回されていた。
もう一人の子の写真には、私のももに絡みつくように足が映っていた。
手が2つに足が2本。
両手両足が揃い、まるでバラバラの人体の各部が1パーツずつ写真に映り込んでいるかのようだった。
だとしたら次は・・・。
私は指を震わせながら、自分で撮影した写真の残りを確かめていった。
けど・・・私の写真だけ何も映っていなかった。
気味の悪い写真のせいで気持ちも盛り下がり、私達は早々に帰ることにした。
駐車場に向かい、とめてあった車に乗り込んだ。
そして、忘れ物がないかバックをあけた瞬間、目を疑うものを見た。
欠けていたパーツは写真ではなくここにあったのだ。
若い女性の生首。
生首がパチリと目を開け、私を見てニヤッと
笑った・・・。

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