第43話「心霊テスト」
2016/09/01
高校3年の時に体験した怖い話です。
大学受験を控えていた俺は、予備校で知り合いに出くわすのが煩わしくて、放課後の教室に残ってよく受験勉強をしていました。
7時過ぎくらいになると窓の外は真っ暗です。
そろそろ、帰ろうかなと思いました。
その時、俺は、床にプリントが落ちているのに気がつきました。
拾ってみると、テスト用紙のようでした。
問題文と解答欄が並び、一見、普通の試験問題なのですが、科目名を見て違うとわかりました。
「心霊テスト」
誰かがジョークで作ったのでしょう。
わざわざパソコンを使って試験問題に似せて作っているあたり、手が込んでるなと感心しました。
氏名欄の下に説明がありました。
「あなたに霊感があるか測定できます」
俺は、好奇心から問題を読んでみることにしました。
問1.太郎君の所持金は500円、花子ちゃんの所持金は400円、では次郎君の所持金は?
問2.ライオンの鳴き声はガオー、馬の鳴き声はヒヒーン、では、猿は何匹いる?
そんな感じで、問題文を読んでも解けるはずがない問題ばかりでした。
俺は、苦笑しながら、適当に解答を書いて、机に置いておきました。
で、帰る前にトイレに行こうと思って、行って戻ってきました。
すると、さっき解答を書いた心霊テストが赤ペンで採点されていたんです。
ものの5分くらいの出来事です。
さては、誰かクラスのヤツが隠れていて、俺にイタズラを仕掛けているに違いないと思いました。
そうわかっていても、ちょっと寒気がしました。
俺は採点を見てみました。×ばっかりで、トータルスコアは100点満点中、8点。
どうやら俺には霊感がないということらしいです。
その時、テストの一番下に赤字でコメントが書いてあるのが見えました。
「採点が見えたあなたには霊感があります。前に立っている私が見えていますね」
俺は、ゆっくり視線をテストから上に向けていきました。
セーラー服、長い髪、青白い顔が見え・・・その後の記憶はありません。
俺は、二度と教室で受験勉強をしませんでした。