【怖い話】渋谷のカラオケボックス
これは、先日、高校の友達3人と渋谷のカラオケに行った時に体験した怖い話です。
普段から仲がいいメンバーだったので、歌うのもそこそこに、学校や部活での愚痴を言いあう会になりました。
友達2人が一通り話し終えて、私が話そうとした時でした。
カラオケの楽曲がいきなり部屋に流れ出しました。
誰も予約をいれてないのに、です。
しかも、聞いたこともない童謡のようでした。
どことなく聞いてると暗い気持ちになる旋律で、友達の一人がすぐにリモコンの演奏停止のボタンを押しました。
「曲入れた?」
「入れてない」
「押し間違い?」
「機械の故障かも」
奇妙ではありましたが、そういうこともあるかと納得して、私は再び話を再開しようとしました。
けど、私がしゃべりだした途端、また謎の童謡が流れ出しました。
「なにこれ・・・」
「故障だよ」
「部屋替えてもらおう」
私達は店員さんに電話して、部屋を交換してもらいました。
一階上の少し広め目の部屋に移動させてもらえ、しかもカラオケの機材は最新のものでした。
気分も変わってまたしばらく歌をうたった後に、「そういえば」と私は話を始めようとしました。
すると、また、同じ童謡が流れ始めました。
「なんなのこれ」
あまりの気持ち悪さに演奏を止めるのも忘れ、3人とも、憑かれたように音楽を聴いてしまいました。
コーラスが音楽の後ろに入っているのですが、何かの旋律に似ている気がして、考えてハッとしました。
・・・お経に似ているのです。
独特の節回しに一定の音階。
聞けば聞くほどお経のようでした。
そう思った瞬間、今度は、
「ヒヒヒヒ」「ハハハハ」という男女の笑い声が聞こえてきました。
私達は、それ以上いられず、逃げるようにカラオケボックスを後にしました。
不思議なことに、後で思い返してみても、3人ともその曲のタイトルを思い出せませんでした。
一体アレはなんだったのでしょうか。
そして、どうして私が話した時に限って、気味の悪い音楽が流れ出したのでしょうか。
答えの出ない気持ちの悪さがありましたが、きっと答えは知らない方がいいのだろうと思っています。
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