「〜ない」シリーズ

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【怖い話】開かない

K下さんは、朝目覚めて、おや?と思った。寝ぼけ眼でベッドから抜け出し、覚束ない足取りでドアまで進んで、ノブに手をかけた時だった。ドアが開かない・・・。何度ドアノブをガチャガチャ回しても開かない。そんなこと、ありえるはずがないのに。なぜなら、...
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【怖い話】相手をしてはいけない

Xさんが、その女性と出会ったのは、一人娘を公園で遊ばせていた時のことだった。女性はAさんといって、公園のベンチで2人はたまたま隣り合わせた。XさんはAさんの顔を一目見て、自分と同じく小さな子供を持つ母親だと感じるものがあった。「本当大変です...
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【怖い話】理由なく怖い

・・・普通、誰も怖がらないものが理由なく怖い。そんなものはないだろうか。他の人にとっては何ら恐怖の対象ではないのに、なぜか自分だけは怖くて仕方がない。Xさんにとって、それはショートケーキだった。スポンジ生地に生クリームとイチゴが乗った、どこ...
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【怖い話】2月29日 うるう年にしてはいけないこと

2024年はうるう年。4年に一度、2月29日がある年だ。2月29日が誕生日の人が、聞かれて一番面倒だなと思う質問。それは、うるう年以外の年は、2月28日に誕生日を祝うのか、3月1日に誕生日を祝うのかと聞かれることだそうだ。耳にタコができるほ...
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【怖い話】会いたくない人

Mさん(20代女性)は夜の仕事をしている。いつも家に帰るのは深夜2時過ぎくらいだ。Mさんには、仕事帰りによく使うコンビニがあって、だいたい毎日そこでお酒やつまみを買っている。ある夜のこと。その日、Mさんは仕事が忙しくてクタクタに疲れていた。...
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【怖い話】遊んではいけない池

僕の地元には、遊んではいけない池がある。集落から10分ほど山道を登ったところにあり、周りを藪に囲まれた、小さな溜め池だった。水は濁って澱んでいて、藻や水草が多いので、泳ごうものなら身体に絡みついて上がってこれなくなると言われている。昔から水...
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【怖い話】いけない

Jさんの地元にF橋という橋がある。市を跨ぐ河川にかけられた橋なので、地元民のほとんどが一度は通ったことがある橋なのだが、Jさんは一度も渡ったことがなかった。それを周りの人に話すと驚かれるほどに、生活に根づいている橋なのに、Jさんはなぜか縁が...
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【怖い話】さめない

気がつくと、公園のベンチに座っていた。記憶が飛んでいる。今日は会社の飲み会で、しこたま飲まされたことまでは覚えていたけど、ビールを一気にあおってから記憶がない。喉に焼けつくような異物感があった。身体が浮いているようにフワフワして、視界はグラ...
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【怖い話】間違ってない電話

ある日のこと。Y田さんの携帯に見知らぬ番号から電話がかかってきた。「もしもし、こちらは、A川さんの携帯電話でしょうか」と女性の声がした。間違い電話だった。「いえ、違います」そう言って、Y田さんは電話をすぐに切った。すると、数十秒後、同じ番号...
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【怖い話】いきたくない

先日、病院に行った時のことだ。「いきたくない、いきたくない」と病室の前で小さな男の子が泣き叫んでいた。予防接種か何かなのだろうか、診察を怖がっている様子だった。「いい加減にして」男の子のお母さんがイライラと子供の手を引いて病室に連れて行こう...
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