ショートホラー

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第20話「児童公園」

僕が小学校に上がる前の話だ。僕はよく近所にある児童公園で遊んでいた。鉄棒、ブランコ、ジャングルジム、砂場、滑り台、その公園には一通りの遊具が揃っていたので、近所に住む子供達にとっては格好の遊び場だった。僕は、割と人見知りしない方だったので、...
サスペンス

第18話「彼女の部屋にて」

俺が25歳の時の話。当時付き合っていた彼女のアパートで、彼女が仕事から帰ってくるのを待っていた時のことだ。ソファに寝転んでテレビを見ていたら、玄関のチャイムの音がした。彼女が仕事から帰ってきたのだろうと思い、モニターも確認せずドアを開けたら...
ショートホラー

第15話「ゴミ屋敷」

これは俺が中学2年の時に体験した怖い話。ある日、俺は修学旅行の費用1万6千円が入った封筒を間違ってゴミ箱に捨ててしまった。親父が、すごい厳しい人だったんで、正直に言えなくて、母親にそれとなくゴミをどうしたか尋ねると、すでにマンションのゴミ集...
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第14話「母の日」

私が中学2年生の時、母が交通事故にあった。その頃、私は反抗期真っ最中で、母とは毎日、喧嘩ばかり。私が悪いのはわかっていたが、どうしても謝ることができなかった。そこで、私は「母の日」に、カーネーションに「ありがとう」のメッセージカードを添えて...
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第10話「るすばん」

「誰か来ても、絶対にドアを開けたらダメよ」お母さんは、最後に念を押して出かけていった。昔、お世話になった人が病気で倒れたという報せを受けて、急に泊まりがけでかけつけることになったのだ。お父さんも出張で明日のお昼まで帰ってこないから、今日、花...
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第8話「転校生」

僕が小学校5年生の時の春に、サトル君は転校してきた。サトル君は、色白で目鼻立ちがはっきりした顔をしていて、たちまち女子生徒の注目を集めた。しかし、それがおもしろくない男子生徒からはたちまち目をつけられてしまった。人気者の男子生徒たちが毛嫌い...
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第7話「デジャブ」

仕事休みの日曜日。私は、リフレッシュするため運動着に着替えてランニングをすることにした。雑誌編集者として働き始めて7年。男社会の中でつぶされぬよう日々戦い続け、心身ともにだいぶ消耗していた。気晴らしのため、いつもとは違うコースを走ることにし...
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第6話「ホームレスの預言」

私が中学生の時、通学路の陸橋下に奇妙なホームレスが住み着いていた。骨が見えそうなほどガリガリに痩せていて、髪なんてボサボサに伸び放題だったので、見た目はまるで仙人のようで、いつも上半身裸で地べたに座り込んで、ボソボソと独り言を喋っていた。彼...
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ランニング #006

早朝の川原には、霧が深く立ち込めていた。田所俊作は、近所の川原の土手をランニングしていた。毎日走っているコースだった。まだ午前5時を少し回ったところなのでほとんどひとけがない。出勤前の早朝ランニングは頭をクリアにしてくれる。走らずに会社に行...
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第4話「捨て神」

「佐久間。お前、神様いらないか?」そんな、奇妙な質問をしてきたのは、大学のサークル仲間の金村だった。金村は、神社の跡取り息子だから、酒に酔って冗談を言っているのかと初めは思ったが、どうもそうではないらしい。金村は、きょとんとしている僕に、「...