【怖い話】心霊あるある(短編)

2021/03/09

「このトンネルでは、昔、バラバラ殺人事件があったといわれていて、被害者の霊が今もさまよっているんだ。その霊は、欠けた自分の右腕を夜な夜な探しているらしく、運悪く遭遇してしまうと、腕をとられてしまうんだって・・・」

話終えてみんなの顔を見回すと、固まった表情で押し黙っている。
クラスの友達数人、深夜のトンネルで肝試しをしていた。
俺はいわくつきのこのトンネルにまつわる怪談を披露した。
そこそこ怖がらせることはできたようだ。
俺は場を和ませるために話を続けた。

「っていう、怖い話なんだけどさ、全部作り話でした!」

「作り話?」

「だって、ほんとうに腕を取られるような大事件あったら、ニュースになってるはずだろ?そんな話一度も聞いたことがないのは被害者がいないから。つまり、誰かの創作ってこと」

大事件なのに被害者がいないのはおかしい。
心霊あるあるだ。

ところが、場が和むどころか、かえって、みんなの顔から生気がなくなったように見えた。
冷たい氷のような表情。

「作り話じゃないよ、だってさ・・・」

俺は目を疑った。
みんなの右腕が肘のあたりからポロポロと取れていく。

「ほら、みんな腕を取られてしまってるんだから」

その場にいた全員が俺を取り囲む。
ジリジリと近づいてきて、残った左手を俺の右腕に物欲しそうに伸ばした。

「これでお前も仲間だね」

トンネルの入口に、右腕が欠けた女性のシルエットが見えた気がした、、、

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