【呟怖】空車 呟怖/超短編 2018.12.092018.12.11 先日、終電を逃してタクシーを探した。 大通りで待つとほどなく空車が通りかかった。 後部座席に乗り込もうとしてギョッとした。 人が乗っている。髪の長い若い女性が、眠っているのだろうか座席にもたれ顔を伏せている。 「乗らないんですか?」と運転手。 ボクが戸惑っていると運転手は舌打ちして走り去った。数分後、甲高いブレーキ音とドカン!と何かがぶつかる音が聞こえた。 #396