【海外】ロサンゼルスのホテルの怖い話
これは出張でアメリカのロスに行った際、宿泊したホテルで体験した怖い話です。
僕が泊まったホテルはロサンゼルス空港から1時間ほど車で走ったアナハイムにあって、近くにはディズニーランドがありました。
リゾート地なので、夜でも治安がよく、ホテルの周りにはレストランや24時間営業のドラッグストアがあり利便性も最高でした。
ただ、泊まったホテルの部屋が問題でした。
カードキーをつかって部屋に入った瞬間、なんともいえない嫌な気配がしたんです。
部屋のつくりは、いたって普通のシングルルームです。
何かおかしなところがあったわけではなく、
「なんか嫌だなぁ」という空気感としかいえませんでした。
それでも、その時は特に気にせず、ホテルのレストランで夕食をすませると、
部屋で明日の商談で使うプレゼン資料の準備をしていました。
ガチャッ・・・
ふいに聞こえた音に振り返ると、
バスルームのドアがひとりでに開きはじめていました。
キィィ
まるで中から誰かが招いているように、ゆっくりとドアは開いていきました。
少し背筋が寒くなりましたが、
建てつけが悪い海外のホテルではしばしばあることです。
それに、夜風を入れようと窓を開けていたので、
空気が流れていたのかもしれません。
窓を閉めた後、念のため、バスルームの中を覗いてみましたが、
誰もいるはずがありませんでした。
しっかりとバスルームのドアを閉めて、仕事に戻りました。
しかし、15分ほどすると、再び「ガチャッ」と音がして、
バスルームのドアがひとりでに開いたのです。
2回目・・・。
何か嫌だなぁと思いましたが、気にしないようにしました。
けど、二度あることは三度あるという言葉どおり、すぐにまたドアはひとりでに開きました。
僕はドアを閉めるのをあきらめました。
しめたりしなければ、勝手に開いたりしないと思ったのです。
ところが、しばらくすると、今度は逆にドアがしまりはじめました。
バタン!
叩きつけるような勢いでした。
さすがに怖くなって、部屋をかえてもらおうと思ってフロントに電話したら、
満室だと素っ気なく断られました。
諦めて、電話の受話器を置いて仕事に戻ろうとしたら、
足が前に進まず、バランスを崩して、スーツケースに頭をぶつけそうになりました。
とっさに手を出さなければ大怪我を負っていたかもしれません。
足が前に出なかった時、まるで誰かに足首を掴まれたような感じがしました。
気味が悪くて、ベッドの下にある空間を見る気にはなりませんでした。
不安と孤独と恐怖で、思わず、日本にいる友人に電話してしまいました。
「もし西洋の悪霊なら、聖書がきくんじゃないか?」
なんとも現実的なアドバイスを友人はくれました。
僕は友人と電話を繋いだまま、
テーブルの収納の中に入った聖書を取り出しました。
パラパラとめくってよさそうな言葉を探していると、おかしなことに気がつきました。
聖書の余白に黒っぽい染みがついたページが何枚かあったのです。
それが表す意味を悟り、背筋を冷たい汗が流れました。
聖書を閉じて、本の小口を見てみると、
赤黒い液体が飛び散った跡がはっきり残っていました。
この部屋でなにがあったかはわかりません。
ですが、泊まってはいけない部屋だったのは間違いありません。
「聖書に血の跡がべったりついている。やっぱりヤバい部屋だったよ」
友人にそう報告すると、電話はいつのまにか切れていました。
掛け直してみると、眠そうな声で友人が電話に出ました。
彼が言うには、僕からの電話は一度もかかってきてないというのです。
その後、すぐに別のホテルに移ったのは言うまでもありません。
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