【怖い話】理想の彼氏 #286

2018/02/26

 

これは知り合いのA子ちゃんという女性の身に起きた怖い話です。

A子ちゃんは、介護の仕事をしていたのですが、結婚適齢期にさしかかっても、いい出会いがないことに悩んでいました。

ある時、A子ちゃんに運命的な出会いが訪れました。
それはまるでドラマのようでした。

夜遅く、職場近くの通りで酔っ払いにからまれたA子ちゃんは、通りかかった男性に助けてもらいました。
後日、その男性・Bさんは、A子ちゃんの職場に宅配物を運ぶ業者の人だとわかりました。

不思議な縁から二人は話しをするようになり、
やがてA子ちゃんはBさんと交際するようになりました。

Bさんは、どちらかというとA子ちゃんのタイプの男性ではありませんでした。
けど、A子ちゃんは、偶然の出会いに運命的なものを感じていました。

いざ付き合ってみると、二人の相性はぴったりだということがわかりました。
Bさんが選ぶデートコースは、まさにA子ちゃんの理想を再現したかのようでしたし、
Bさんが贈ってくれるプレゼントは、A子ちゃんが、ちょうどその時欲しいものばかりでした。
Bさんは、まるで、A子ちゃんの心が読めるかのようでした。
「どうして、そんなに私のことがわかるの?」
ある時、A子ちゃんは、Bさんにたずねてみました。
「なんとなくわかるんだ」
Bさんはそう言いました。

けど、話した覚えのないA子ちゃんのプロフィールや昔のエピソードまで、
Bさんが当てることが何度かあり、A子ちゃんは、すこし怖くなりました。
「なんとなくわかる」とBさんは繰り返し言いますけど、本当にそうなのでしょうか。

それにA子ちゃんは最近、誰かに監視されているような気がしていたのです。

A子ちゃんは、業者の人にお願いして自宅アパートを調べてもらいました。
すると、リビングや寝室から隠しカメラや盗聴器が次々と発見されました。

A子ちゃんは、Bさんを問い詰めました。
Bさんは自分ではないと否定しましたが、信じられるわけがありません。
「二度と連絡してこないで」
A子ちゃんはBさんにそう言いました。

・・・数日後、惨殺されたA子ちゃんの死体がアパートから発見されました。

犯人はBさん、ではありませんでした。
A子ちゃんの隣の部屋に住んでいた男性でした。
A子ちゃんのストーカーはBさんではなかったのです。

A子ちゃんの葬儀の時、Bさんは泣きながら言いました。
「一緒に住もうと言おうと思っていたんです。もし僕が一緒にいれば・・・」
きっとBさんは、本当にA子ちゃんの運命の人だったのでしょう。
もしA子ちゃんが、自分の幸せを信じることができれば、
死なずに済んだのだと考えると、やりきれない気持ちになります。

みなさんもどうか自分の運命の人を逃さないようにしてください・・・。
運命の相手は、時に、怖いくらいにあなたの理解者である場合もあるのです。

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