消えたホラーサイト #232

2017/11/10

 

あるホラーサイトにまつわる怖い話。
「ネットで百物語に挑戦」と唄い、怖い話を連載していたサイトがあった。
百話の怪談を話すと恐ろしいことが起こるという百物語の話にもちろんあやかったものだ。
百話連載したら何かが起こるという煽り文句を何度も繰り返し使い、順調に連載を続けて半年くらい。
あっという間に99話まできた。
いよいよ次は100話目。
しかし、99話を最後に、それきり、そのホラーサイトは更新されなくなってしまった。
あれほど100話にこだわりながら99話で終わらせてしまうのは少し変ではないか。
そう思ったのは僕だけじゃなかったらしく、「100話目はどうなったのか」というコメントがちらほら来ていた。
僕はためしに、お問い合わせフォームから、100話目はないのか?と問い合わせてみたけど、返信は一向にこなかった。
運営者の身に何かあったのだろうか?
そう考えてしまうような状況だ。
やがて、サイト自体にアクセスができなくなってしまい、いつしかそのサイトの存在を僕も忘れてしまった。

ところが最近になって、怪談好きの友人から中古PCにまつわる怖い話を聞き、そのサイトを思い出すことになった。

それはこんな話だ。
ある人が、格安で中古PCを購入したところ、身の回りで心霊現象が起こり始めた。
モノがなくなったり、寝ていると誰かが上に乗ってきたり、頻繁に奇妙な現象が起こるようになった。
よくよくパソコンのデータを調べてみると、怖い話がびっしりと保存されていた。
どうも以前の持ち主はホラーサイトを運営していたらしく、怖い話は全部で100話もあったという。
持ち主は気味が悪いので売り手を探しているらしい。

その話を聞いて、僕は飛び上がりそうになった。
例の閉鎖された百物語のサイトに違いない。
確信に似た気持ちがあった。
しかも、99話でなく100話がパソコンに本当に保存されていたのだとしたら、幻の100話目が存在したことになる。
何らかの理由で100話目をアップロードできないまま、運営者はパソコンを手放すことになってしまったのだろう。
幻の100話目があるのだとしたら、怪談好きとしてぜひ確認してみたかった。
さっそく友人にパソコンの持ち主とコンタクトを取ってもらおうとしたのだけど、それは叶わなかった。
パソコンの持ち主は行方不明になってしまっていた。
家族の話では、部屋に「読むな」というメモ書きが残されていてパソコンはなかったらしい。
そのパソコンの所在はいまでもわかっていない・・・。

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