【怖い話】【心霊】学校の七不思議④ #202

2017/09/11

 

あなたは、通っている学校の生徒全員を把握していますか?
よほど小さな学校でなければ、全員を知っている人というのはなかなかいないのではないでしょうか。
もう卒業して10年以上経ちますが、これは、私が通っていた小学校にまつわる七不思議です。

私が通っていたのは地域で一番大きな小学校でした。
少子化の波がきていたとはいえ、それでも、全校生徒は1000人弱いました。
私の学校には「声をかけたらいけない生徒」という七不思議がありました。
もし、その子に声をかけてしまうと、不幸なことが起こると言われていました。
5年生のマツヤマくんが車にはねられたのも、その子に出会って声をかけてしまったからだと噂が立ちました。
その子がどんな子かは誰にもわかりません。
なぜなら、毎回姿を変えて現れるからです。
ある時は低学年の女の子、ある時は高学年の男の子として現れます。
なので、いくら警戒していても、その子が七不思議に伝わる子だと気づくことはできません。
わかった時には手遅れなのです。
「みぃつけた」
それまで普通に接していたのに、突然、そう告げると、その子はどこかへ消えてしまうといいます。
所詮は子供が考えた七不思議、そうお思いのひとがほとんどではないでしょうか。
ですが、実際に日々大勢の生徒と顔を合わせる子供達にとっては、少し違うのです。
彼らは心のどこかで、見かけたことがない生徒を怖がっていました。
イジメ発生率が県内最悪の小学校と言われていた背景には、七不思議に由来する異質な存在への恐怖があったのかもしれません。
それこそがこの七不思議のミソなのです。
子供達に互いに猜疑心を芽生えさせ、攻撃させ合うことで生まれる負の連鎖。
その子が存在し続けるためには、そういう、人間が放つ負のエネルギーが必要なのです。
というよりも、そういう負のエネルギーによって、その子は生まれたと言った方が正しいかもしれません。
ほとんどの生徒は七不思議に伝わる子を見かけることなく卒業していくというのに、代々この七不思議は生徒から生徒へと伝わっていくのです。
物語が生き続ける限り、その子も生き続けるのです。
なので、どうかこの話を広げてください。
そうすれば、私はずっと生き続けられます。
あぁ、ごめんなさい。そうなんです。
私こそ、七不思議に伝わる「声をかけてはいけない子」だったのです。
私のことを知って欲しくて、つい。
でも、ご安心ください。
さきほど申し上げました通り、もうとっくにその学校は"卒業"しておりますから・・・。
明日は、あなたの学校に行きましょうかね・・・。
「みぃつけた」
見知らぬ子にそう言われたら、運が悪かったと思ってください・・・。

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