【怖い話】【心霊】松戸のホテルH #197
2017/09/11
これは友人のAから聞いた怖い話です。
ある日、Aは千葉県松戸市にあるラブホテルHに彼女と行ったそうです。
ホテルHは、駅からそれほど離れておらず、リゾートホテルのような外観で、そういうホテルの中では入りやすい感じだったそうです。
二人がチェックインしたのは301号室。
中は広くてカラオケやスロットマシンなど備品もしっかり揃っていて快適な感じだったそうです。
二人ともお酒を飲んでいたので、割と早くに眠りについたんだそうです。
深夜、Aは目を覚ましました。
日頃から寝つきはいいほうなので、「あれ?」って思ったそうです。
隣の彼女は寝息を立ててスヤスヤ眠っています。
喉がかわいたので、テーブルの上の飲みかけのお酒を手に取りました。
その時、また「あれ?」って思ったそうです。
部屋がタバコくさいんです。
ついさっき誰かがタバコを吸ったみたいに。
けど、Aも彼女も吸わないんです。
自分が寝ている間に彼女が一服したとはAには思えませんでした。
彼女はA以上にタバコのにおいが嫌いなんです。
部屋ににおいがしみついているだけなのかなと思い、Aは気にせずベッドに戻ろうとしました。
その時、カタン!とバスルームの方から物音がしました。
なんだろうと思って、Aはバスルームにいってみました。
バスルームの扉を開けると、水とソープの香りに混じって、なんとも言えない不快な生臭いにおいがしたそうです。
金属が腐ったようなにおい・・・。
頭に思い浮かんだのは血のにおいでした。
なんか気味が悪いなと思って、バスルームの扉をしめ、ベッドに戻ると、寝ていた彼女が苦しそうにうなされていました。
クーラーがガンガンにきいた部屋なのに、汗びっしょりだったそうです。
悪い夢でも見てるのだろうかと、Aは「大丈夫?」と彼女を揺り起こしました。
すると、彼女は悲鳴を上げて、飛び起きたそうです。
ワケをたずねると、やはり悪夢を見ていたといいます。
夢の舞台はいまいるホテルの部屋。
まるで現実のようだったと彼女は言いました。
夢でも彼女はAと一緒でした。
ところが、はじめは優しかったAが豹変します。彼女をなぐりつけ、やめてと懇願すると蹴りつけられました。髪をつかまれバスルームに引きずりこまれ、そこでも何度も何度もなぐられ口の中は夢なのに血の味をはっきり覚えているといいます。
ついにAはぐったりとした彼女の首に手をかけ・・・。
そこで、目を覚ましたそうです。
話終えると、彼女はキョトンとしました。
「なにやってるの?」
「え?」
見ると、Aの指にタバコがはさまっていました。
タバコからはゆっくりと煙が立ち上っています。
Aにはまったく身に覚えがありませんでした。
慌てて部屋の電気をつけタバコを灰皿で消すと、Aは声をあげそうになりました。
タバコに血しぶきがかかったような赤い斑点がたくさんついていたのです。
2人は気味が悪くなって、真夜中でしたが精算して、部屋を出ました。
ホテルを後にしてから彼女が言うには、部屋を出る瞬間、女性の呻き声のような音が聞こえたような気がしたそうです。
後で調べてわかったことですが、ホテルHでは昔、女性が殺されていたのだそうです・・・。
ただ、Aと彼女が泊まった部屋なのかまではわかりません。