【怖い話】【心霊】にらむ男 #190

2017/10/24

 

電車の中でのことだ。
座席に座っていると、ふと視線を感じた。
向かいの席の男性がこちらを睨みつけていた。
40代くらい。ジャケットにカットシャツを着ているので、会社員のようだ。
すぐに目をそらしたが、目つきが尋常ではなかった。
白目を剥き出しにして上目遣いにまっすぐこちらを睨んでいた。目を合わせたら襲いかかられそうな雰囲気だ。
自分を睨んでるのか確信が持てなかったが、視線はまっすぐ僕の顔に向いていた。あんな表情で風景を見てましたということもないだろう。
僕が何かしたのだろうかと考えたけど、思い当たる節がない。
肩でもぶつかったのだろうか。
記憶を振り返ってみたけれど、僕がこの席に座った時点では、向かいに別の人が座っていた気がする。
そのスジの人間なのかもしれないし、目についたものを全て攻撃しないと気がすまない男なのかもしれない。
よもやヤク中の可能性もある。
いずれにせよ関わりを持たない方がいいと思った。
幸いなことにそれほど混む時間じゃなかった。他にも空いている席はあるはずだ。
そう思って周りを見渡すと、車両内の全員が向かいの男と同じ目つきで僕を睨んでいた・・・。

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