【怖い話】【心霊】第152話「学校の七不思議②」

2017/09/11

 

引っ越してすぐの新しい小学校で、肝試しに誘われた。本当は怖いのは苦手だったけど、クラスのみんなと仲良くなりたくて参加した。放課後みんなで倉庫に隠れていて、日が落ちた真っ暗な学校を懐中電灯で探検した。じゃんけんで負けた子が、学校の七不思議の噂が本当か一人で確かめに行くことに決まった。
運悪く僕は初めに負けて、理科室に行くことになった。みんなは一つ上の階の教室で固まって待っている。

理科室のドアを開ける。
ガラガラガラと扉が開く音だけで心拍数が上がる。薬品のにおいがした。
見回すように懐中電灯を振る。
と、人の影があった。
誰かいる!
ドキンと心臓がはね上がった。
・・・いや、よく見ると、それは人体模型だった。
精巧にできた人体模型は不気味だった。身体の半分、赤い筋肉が露出しているせいで、怪物感が増している。どこを見てるかわからない焦点が合っていない目も気味が悪い。
人体模型に驚かされた以外は、特に怪現象が起きることもなかった。
ホッとしてみんなのところに戻った。
「人体模型があっただけだったよ」
すると、みんなの顔色がサッと変わった。
ある子は泣き出し、ある子は走って帰ってしまった。
「どうしたの?」
僕はわけがわからず混乱した。
「ないんだよ、ウチの学校に、人体模型なんて」
あるはずのない人体模型が理科室に現れる。それが、この学校の七不思議の一つだった。
1年経った今でも夢に、あの日見た人体模型が現れる・・・。

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